表題をなんと読んだでしょうか?
今回は『ちょっと』ではなく『いっすん』と読んでください。一寸は尺貫法の単位で約30mm、3cmのことを言います。
最近はバリアフリーバリアフリー(Barrier free)とは、広義の対象者としては障害者を含む高齢者等の社会生活弱者、狭義の対象者としては障害者が社会生活に参加する上で生活の支障となる物理的な障害(障碍)や精神的な障壁を取り除くための施策、若しくは具体的に障害を取り除いた状態をいう。一般的には障害者が利用する上での障壁が取り除かれた状態として広く使われている。「バリアフリー」は、特に日本に於いて広く普及し、発展・拡大解釈されている用語であることに留意する必要がある。英語本来では、設備やシステムが広く障害者や高齢者などに対応可能であることを指して「accessibility」という用語が頻用されるのに対して、「barrier free」は建物の段差を取り除くことなどのみを示す認知度の低い用語である。(Wikipediaより)が大流行で木造の教科書といわれる『金融公庫仕様書』にも明記されていたりします。室内の段差をなくそうということで和室と廊下、つまり畳と板の間を平にします。境にあるのが敷居で、この高さが従来では8分~1寸(24mm~30mm)だったのですが、躓くにはちょうどもってこいの高さなので標的にされました。いまではどこの家でもといっていいくらい平らになり、敷居でつまずくことはなくなったようです。
確かに事故は少なくなりましたが、かわりに失ったものがあります。敷居の高さ(一寸)にはそれなりの理由がありました。あの高さが浄の間と不浄の間を明確にしていたのです。リンゴが畳の上に転がってもすっと手で拭けば食べられますが、板の間に転がったら一回水洗いでもという気持ちになります。畳の上が衛生的にキレイだというわけではありませんが、やはり浄の間なのです。おおかたの日本人の感性だと思います。
いわゆるバリアフリーで畳が板の間と平になってからこんなことを感じなくなってきています。おおげさに言えば『転ばないこと』で『日本人の感性、文化』をなくしつつあるのではと考えています。室内のデザインという意味でも逆方向です。じゃ、どうするの?・・・結論はでません。
設計事務所の悩みは続くのでした。