工務店さんが相談にきた。
お風呂を取り替えてくれと頼まれたらしい。そのことだけでわざわざ来ないだろうから、よく話を聞いてみるとお風呂を直すのでこれを機会に不便な箇所も一緒に改修をしたいとのことである。
私にすれば「またか!」という思いである。あくまで私のこれまでの経験からだが確かに大工さんは言われれば言われたことはきちんとこなすのだが、抽象的な指示は苦手なのである。
図面を見せてもらい家族構成などを聞いて私なりに想像してみることになる。建築後25年、子供達は独立し定年退職をした夫婦二人の生活だという。図面から察するに廊下が暗かったり、風通しも悪そうで台所は北側に独立し食事はそのたびに南側の和室へと運んでいるようだ。そして親なら誰でも同じだが子供達の部屋を確保したために自分たちの寝室が狭そうにみえる。ここでは決してプランの善し悪しを論じているのではないし、建築当時はそれがベストであったのであろうことは間違いない。
しかし年月が経過すると事情も変わる。以前とは違った環境で夫婦の生活が始まるのである。
大工さんも仕事の方向性が見えてくるんじゃないとこんなことを話すのだが、ナカナカ。仕方なくプランをつくってあげることになる。
最初から設計事務所に相談をしていればと思うのだが、まさか大工さんから仕事を取ってしまうわけにもいかない。結局私の仕事ともいえない仕事はここでお終いである。こんなことが結構あるので歯がゆくてしょうがない。
大工さんも話を聞くときに発想の転換が必要だし、増築や改修を考えている人も相談相手を選ぶ際に発想の転換が必要だと思います。もちろん私たちはいつでも提案のできる設計事務所をめざしていますので。
(追記)このケースでは建築確認に該当しないようですが火災報知器の設置、階段手摺設置、24時間換気、シックハウス対策等はきちんとしなければなりません。(実際にはやっていないことが多いようですので、念のため。)





